私が音楽を仕事にすることを辞めた理由

これから音楽系の仕事に就きたい!と思っているあなたへ。 私はとある音楽系のプロダクションと音楽作家契約を交わしました。22:00~のニュース番組で曲を使ってもらうなど、それなりの実績もありました。 しかし、およそ1年で音楽の仕事は全て捨てました。今は製薬会社で働いています。 もちろん音楽は趣味で続けています。ボーカル曲作成や音楽素材作成。地方アイドルの曲を書いたこともあります。 どうして私が音楽の仕事を捨て趣味として楽しむようになったのか。その理由をお話します。

1.求められるものと作りたいものが違った

あなたが「ニュースに使われる曲を作れ。」と言われたらどうしますか?ゆったりしたピアノ曲や空間を感じさせる音をイメージするでしょう。 答えは以下の通りです。

  • 暗い、不気味な雰囲気(最近は暗いニュースが多いため)
  • 必ずループできるようにすること
  • メインメロディーは極力入れない
  • ループ素材・環境音の使用禁止

最初は仕事だと思い頑張っていました。しかし、途中で暗い曲を作れなくなったんです。楽しくなくなったと言いましょうか。自分は音楽を楽しみたかったのに、少しも楽しめていなかったことに気がついたんです。 これが「趣味を仕事にするな!」と言うことでしょう。

2.定期的な投資に対する金銭的な余裕が無かった

最初の頃はクオリティが求められている水準に達していました。しかし、数ヵ月後には私のクオリティは通用しなくなったんです。 プロの世界では生録音・ミキサーを使っての音作りは基本です。一方、私はソフトシンセ+外付け音源のみで作成していました。コンプやリバーブもDAWに付属していたもののみ使用していました。 これ以上クオリティを上げるには投資をしなくてはいけません。当時は仕事を始めたばかりで月に数万円貰えればラッキーでした。この状態で数十万単位の投資はできません。 仕事をするには学生時代から機材を揃え、スタジオやプレイヤーとコネクションを持つ必要があると痛感しました。

3.地方では限界があった

私は岐阜に住んでいます。岐阜で音楽の仕事はありません。もっと言えば、東海で音楽の仕事はほとんどありません。 作曲の仕事は大阪・東京に集中しています。ネットを使って仕事を得る方法もありましたが、現場に近い人には叶いません。 本気で音楽で食べていきたいなら上京する必要があります。私は将来を捨ててまで夢のために上京する勇気がありませんでした。

趣味としての音楽

音楽を趣味にしてからは素晴らしいことだらけです。ボーカロイドを通じて数百の人と知り合い、そのうち20名はかけがえの無い友人になりました。 ブログを通じての音楽発信・作りたいものを自由に作ることに生きがいを感じています。現在も東京の方と一緒に創作活動を続けています。

後になって分かったこと

仕事って余裕が必要なんですよね。いつも全力では失敗します。私は音楽に対して楽しむ余裕を失っていたのでしょう。今は余裕を持った創作活動ができています。金銭的にも本業があるため、全く問題ありません。 私は音楽をお金に変える才能はありませんでしたが、音楽を友人との出会いに使う才能がありました。あなたがどんな音楽を作るか、私には分かりません。もし、商業的な音楽の才能が無くても落胆しないで下さい。音楽を別の物にする才能が眠っているかもしれませんから。

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